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Dr.タコの外来小咄 (272号)

激動の28年が暮れようとしています(毎年激動の気もしますが)。発行まで一月ほどあるのですがこの間に何があるのか想像もつかない昨今です。でもつまるところ、目の前の景色・人物・仕事を大事にして仕上げていくこと、これしかできないということを忘れずに「一所」懸命でいきたいとおもいます。

夫婦そろって

奥様が「けさからひどい下痢で、吐き気もするんです」
「熱はないようですね」
「ええ、でも寒気もしてダルイんです」
「周りに似たような症状の人はいますか?」
「いないですね」
「おそらくいま流行の感染性腸炎というやつでしょうな」
「そうですか」
次に入ってこられたのは旦那さんです
「あれっ、奥様と同じ症状なんですか?」
「いやーここんところ便秘がひどくって、今朝なんか浣腸してやっと出ました」
「真逆ですな(笑)それで下剤をご所望というわけで」
「そうなんです」
「奥様のウイルスを少しもらったら」とは、口が裂けても言えませんが

手元にある北京

「北京の大気汚染が話題になってるじゃないか」
「PM2.5ってやつね」
「そうそう、この田舎にも飛んできてるのかな」
「◯◯市でも観測されたらしいよ」
「そうか、心配だな」
「言わせてもらうけどね、君はタバコを吸うじゃないか。禁煙じゃない居酒屋の受動喫煙は、北京のPM2.5の濃度より高いそうだ」
「えっ、そんなにか」
「そうだよ、だからタバコ吸ってるヒトが、大気汚染とか放射能の発がん性とか心配してるのを聞くと、ちょっと皮肉りたくなるのさ」
あなたは歩く公害でしょ、まず手元の火を消しなさいって

雪かきで汗かき

「ここんところ運動不足で太ってしまいました」
「雪かきとかしないんですか」
「ええ、もっぱらうちの父さんがやってくれるから」
「うらやましい、というかまあ無理のない範囲でやれば雪かきはいい運動になりますよ」
「今年はだいぶしんどいって言ってます」
「旦那さんに倒れられても困るでしょう」
かと思うと
「血圧かなり高くなってますよ」
「んだべ、毎朝2時間は雪かきしてるからな」
「そんなに!息子さんや嫁さんもいるでしょう」
「知らんぷりして仕事さ行ぐすよ」
と間接的DVのような家庭もあります
積もった白い雪は、人の心を測る試金石(雪)かもしれません

チキン・ハート(小心者)

「こないだ夜胸が苦しくなって救急にいったんです。それでいろいろ検査してもらったけど異常ないって言われて」「異常なくてよかったじゃないですか」
「いえ、今もまた苦しくなって・・・」
「大病院以上のことはここではわからないけどなあ、もしかしてなにか心配事とかあるんじゃないですか?」
「ええ、じつは・・マゴが今受験なんです」
「ハッハッハッそうでしたか、それですねきっと。いずれにせよ結果がわかった時に症状は消えますから、たぶん」
「えっ?どうしましょう」
「人生の大先輩がそんな肝っ玉が小さくてどうするんです。結果がどうだろうがお前の価値は変わらない、自分はお前を信じてるよ、安心して」って
寅さんみたく話してあげるくらいでいてくださいな

転載:月刊東洋療法 272号
公益社団法人 全日本鍼灸マッサージ師会

Dr.タコ  昭和40年生まれ、慶應義塾大学医学部卒。田んぼに囲まれたふるさとで診療する熱き内科医。

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