トップ > お知らせ一覧 > Dr.タコの外来小咄(がいらいこばなし)273号

Dr.タコの外来小咄 (273号)

新しい年を迎え、今年も皆様のご健康と世界の平和を祈ります。そしてこばなしのネタが尽きないことも祈ります(汗)。このような場所を頂いて皆様に拙文を披露し続けていると思うと、今更ながら恥ずかしさで真っ赤になります、タコだけに・・・

どうして「どうしても」?

「なんだか最近下の血圧が高いんですよ」
「うん、90から100いってますね」
「どうしたらいんでしょう」
「薬足す前に、野菜をとる、塩分の濃いものを減らす、肉類を減らして運動するようにして、体重が減るくらいになれば理想ですけどね」
「いやー、冬のうちはどうしても塩辛とかしょっぱいものが食べらさるんだすよ」
「どうして『どうしても』なんです?寒いと塩辛を食べなくてはいけない理屈はないでしょう。あなたがそう思い込んでいるだけのことです。
そんな体質だから「どうしても」血圧が上がるんですけどね

順番が逆です

「前に比べればだいぶお元気になったんじゃないですか?」
「そうですね」
「少し体を動かしたらいいんでしょうね」
「でも、まだ足腰弱いし、本調子じゃないんでムリですね」
「むしろ逆ですよ」「ぎゃく?」
「ええ。元気になったら運動しよう、調子良くなったらあれを始めよう、そう思いがちですけど、そういってるあいだは何も変わらない。少しずつでも何かを始めてみる、その経過で、なんだかいい具合だになるんです」
時間ができたら片づけだ、お金が入ったら幸せだ、結婚したら孤独じゃない、みんな同じですね、やっぱり「今でしょ!」

風薫る

「うちの娘に’お父さん加齢臭がする’って言われちゃってショックでさ」
「カレーシュウ?ああ、カレーでも食べたのか」
「そうじゃなくてオヤジ臭いってやつ」
「だってオヤジじゃないか」
「そういったら身も蓋もないだろう、そんなに臭うか?」
「俺も仲間だからわからんな。でも、ちゃんと風呂入ってるならいいだろう、不潔な訳じゃなし」
「でもいかにも不潔なものを見るような目でみるんだぜ」
「女の子はそういう年頃なのさ、気にするこたーない」
そんなこと言ってるおまえたちは十分に『青臭いぞ』って言ってやりなよ

解決しなくても解決

耳鳴りめまいがして気が落ち着かないという方、息子さんが連れて来ました
「こないだずっと世話してきた夫に先立たれまして、それからなんです」
「そういうご事情でしたらある意味しかたない時期じゃないですか」
脳外科でも検査したというので、食事、睡眠、頻尿やら、色いろとお話を聞きました
「家で一人でずっとテレビばっかり見てるんでしょう?こうやってお話すれば結構スッキリするでしょう。あなたに必要なのはクスリじゃなくて話し相手ですね。骨粗しょう症のクスリよりお日様を浴びて外を歩くことです。解決してなくても話すだけで気持ちが楽になる、特に女性はそうでしょう・・・」
「はあ」
わかっていても家でかみさんの話を聞いてあげられないのがタコたる所以ですが

転載:月刊東洋療法 273号
公益社団法人 全日本鍼灸マッサージ師会

Dr.タコ  昭和40年生まれ、慶應義塾大学医学部卒。田んぼに囲まれたふるさとで診療する熱き内科医。

PAGETOP