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Dr.タコの外来小咄 (276号)

最近あの方見ないなあなんて思っていると、回診先の介護施設でお会いしたりすることが多くなりました。「お年寄りに優しいコンパクトシティ」などといいますが、医療・介護・託児なんかがまとまった施設も増えています。かたやネット通販増加で宅急便は疲弊し・・今こそ「小を捨てよ、街へ出よう!」

人生ドラマチック

「おなかに変なしこりがあるんです」
「どれどれ、はっきりしたものはないようですけど」
「これですよ、ここのこれ」
「う~ん、せいぜい皮下脂肪にしか思えませんけど」
「癌の転移とかじゃないですか?」
→総合病院まで行って精査して「セルライト」と言われて帰ってきました
「今度はどうされましたか」
「微熱が続いてるんです、36.7度とか」「平熱ですが」
「いえ、私は普段35度台なので、熱があるんです」
「なにか症状があるんですか」
「いえ、でも微熱が続いて調べたら白血病だったという人の話しを聞いて、心配で」
「そうでしたか、それだったら血液検査で一発です。(後日)大丈夫、白血病ではありません!」
「よかったー、あ”ー助かったわー、もうどうしましょう(ワナワナ)」(ヤレヤレ)
TVドラマの見過ぎじゃないでしょうか!?

医院の親衛隊?

「急に足が動かなくなってしまうんです」と90才のおじいさん(ちなみに初診です)
「今は歩いてるから大丈夫なんですよね」
「んだ、でも急に力が入らなぐなるんだ」
「ここでも調べますけど、念のため一度脳外科で頭の検査をしてみたらどうですか?」
「いいやこれは内科の病気だど思う」「そうですか」
「私はここの病院しか来ない、他の病院には行かない、ここ一筋なんだ」
「そういっていただけるのは嬉しいんですが、餅は餅屋、それぞれの役割と限界というものがありますから」
「他さだば行がね」
ぷらっと他へ移ってしまう患者さんも多い中、ありがたいことではありますが

わかってる!?

「糖尿病の数値は少し上がってますね、これ以上あがると薬飲まないとね」
「気になるのはね、ここんところ体重が3キロばかし増えてるんですよ」
「はあ、口にものを運んでるのは自分ですからね」
「食べ過ぎなのはわかってる、運動不足なのもわかってる」
「それで食事や運動は気をつけましたか」「いや」
「それは、わかってるとはいえないんだなあ」
「変えなくちゃいけないのはわかってるんだ。頭だけでわかった気になってるというのもわかってる」
「行動に表れなければわかったとはいえないでしょう」
「それもよくわかってる」
私に言わせれば、あなたは、なんにもわかっていません!(わかんないでしょうけど)

バタフライ効果

「お変わりありませんでしたか?」
「ええ、ただ、一ヶ月ばかし入院して手術しました」
「え”っ!!」
「整形外科に入院して腰のヘルニアの手術をしたんです」
「それは大いに大変なことじゃないですか!?」
「でも、血圧には関係ないですから」
「関係大ありですよ。血圧高いと手術のリスクは高まるし、鎮痛剤で血圧が上がったり、胃潰瘍が悪化する人もいる、入院食(だけなら)で減量して血圧が下がることもあります」
「そうですか」
「やはりこの辺のことはご理解いただけないんでしょうね」
地球の裏側のチョウの羽ばたきが台風を引き起こす(かも)という説すらあるというのに

転載:月刊東洋療法 276号
公益社団法人 全日本鍼灸マッサージ師会

Dr.タコ  昭和40年生まれ、慶應義塾大学医学部卒。田んぼに囲まれたふるさとで診療する熱き内科医。

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