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Dr.タコの外来小咄 (283号)

県内診療所の各種アンケート調査結果が発表されました。院長の年齢は60代が最も多く、そのうち後継の目処があるのは25%。現場では実感していますが困難な現状が浮き彫りに。うちの長男は医学部は受けないとのこと。さて、タコは笑って愚直に、目の前の患者さんと向き合うしかないようですね。

 

こわれもの扱い

「痛めた膝はその後どうですか。整形外科には通っていますか」
「いいえ、遠いので行ってません」
「でもここに来るのとそう変わらないでしょう」
「少しでも膝に負担をかけないようにと思って」
「そうですか、あんまり動かないとかえって弱くなりませんかね」
「大丈夫、家の中でいっぱい歩いてるから」
「そんなのたかがしれてるでしょう、負担かけないなら杖を使えば楽ですよ」
「まさかそんな年じゃありませんよ!」
そういうKさんはもう80才です。
こわれもの扱いにしないで、からだをもっと信じてあげましょうよ

ながら主義

お昼の定食屋で驚かされることがあります。みなさんきまって熱心にマンガ本や新聞を読みながら食べ物を口に運んでいます
脇目もふらずにこぼさないで食べるのは感心(寒心)するほど
テレビがお昼のにぎやかな(うるさい)番組を流すなか、食材や味に注意を払っている人は少ないようで・・・
静かなのってそんなに居心地が悪いかなあ
食事は「済ませる」ものではなく、からだにも大切なイベントのはずなのに

それって褒め言葉?

昔から気になっていた言葉づかい(年上のヒトばかりです)
「タクシーみえました」「銀行さんみえました」
「・・・?」
不安になって調べてみましたが「みえる」は「来る」の尊敬語です
あと「先生はおりますか?」「わかる方はおりますか」
「・・・?」
やはり「おる」は「いる」の謙譲語です(自分に使う言葉)
用法としては間違いですよね?あまりにみんなが言うので
(こないだは「先生、タクシーお見えになりました」に大苦笑)
地元の特殊な使い方だと結論。しょうがないから合わせています
「自分は家におりますが」が尊敬語ととられてもマズイし

あなたは学校の先生でした

小中学校のかつての恩師が患者さんとして来られることがあります、あまり変わらないお姿なのにびっくりしますが
「先生、よろしくお願いします」
なんて言われるとかえってとまどいます
「お薬の飲むの忘れないでくださいね」なんて
生活上の注意をするハメになったらまた冷や汗ものですね
なんだか自分だけどんどん年をとったみたいなヘンな気分です

転載:月刊東洋療法 283号
公益社団法人 全日本鍼灸マッサージ師会

Dr.タコ  昭和40年生まれ、慶應義塾大学医学部卒。田んぼに囲まれたふるさとで診療する熱き内科医。

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