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Dr.タコの外来小咄 (297号)

謹んで新年のお慶びを申し上げます。平成最後のお正月を迎えました。このような経験ができるのも希有なことと思います。世界は相変わらず騒々しいのですが、平らに成り(平成)これからどう展開していくのか、田舎の片隅で(でも世界の中心で)見守っていきたいタコなのです。

 

原因と結果の法則

「急に左手が挙がらなくて痛いんですのよ」
「何か思い当たることは?最近変わったことはしてませんか?」
「いえ、ぜんぜん」
「そうですか、じゃあ万が一今飲んでいる薬の副作用かもしれませんから、中止しましょう」
一ヶ月後「その後どうですか?」
「ああ、全然よくなりました。それで、日記見て気づいたんですが、あの前日わたし農作業したんですよ。それって、やっぱり関係ありますかね?」
「・・・もちろん、おおありでしょう(このように自覚のない方が非常に多いですね)」
「地面が濡れてるのは、昨日降った雨と関係がありますか?」みたい

きっとなおるかも

「今日は先生に話したいことを思い出したので来ました」と90才のHさん
「私は昔足にひどい静脈瘤があってすごく病んだんです。産婆やったりいっぱい歩いたからだと思うんですけど、それで一生薬飲まないといけないよって言われて、それがここに来た最初だったんですのよ」
「そうだったんですか、で今も病むんですか?」
「それが2年前からすっかり良くなりました、それを先生に言うのを忘れてて」
「そりゃすごい、じゃあ同じ症状の人に言ってあげられますね『きっとなおりますよ50年かかって治った人もいますから』って」

干物を水で戻したい

「足がけくてけくて(カユくて痒くて)しょうがねえす」
「カサカサですね。かきむしって血までにじんでるじゃないですか。電気毛布にくるまって寝てるでしょう?」
「んだ、寒いがら」
「夜中じゅう強くして寝てると、カラカラに干からびちゃいますよ、電子レンジに入ってるようで静電気もすごいし。弱めに、寝入りばなだけにね。あと、石けんでゴシゴシするでしょう」
「んだ、けがらな(かゆいからな)」
「そうやって皮膚の大事な脂や常在菌を落とすのもよくない」
「んだすか?」
「一応、お肌しっとりするクリームを出しておきますね」
塩分多くて干物状態の方を水で戻したい衝動に駆られます!

今日しかありません

「ふと気がついたんだけどさ」「なんだい?」
「昨日はどこにもないだろう」「はっ?」
「明日もどこを探してもない」「まあね」
「昨日は今日の記憶、明日は今日の夢や想像。だから全部今日ここにあるんだよ」
「そうだね」
「思い出している昨日は今ここにある、思い描く明日も今ここにある」
「どうしたんだい急に」
「だから、どこに行かなくてもいいと思ったら、すごく気が楽になったというわけさ」
「それはよかった」
次の人が待ってるから、とりあえずどっかに行ってくれないかな?

転載:月刊東洋療法 297号
公益社団法人 全日本鍼灸マッサージ師会

Dr.タコ  昭和40年生まれ、慶應義塾大学医学部卒。田んぼに囲まれたふるさとで診療する熱き内科医。

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