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Dr.タコの外来小咄 (303号)

地元で密かに守り育てられてきた藤棚がSNSで紹介され、2万人が訪れる名所になったり、或る菓子舗のお餅を有名人が取り上げたら全国から注文が殺到して一ヶ月待ちになったり、ネット社会の反響は想像以上です。良いにつけ悪いにつけ、いつも誰かに見られてるかも、と思うと気を抜けないタコです。

 

わがままの~ままで~

「私が使ってる薬の能書見てください『前立腺肥大症、緑内障の方は使用を控えて』、私は両方あるのでどうかと思って」
「症状が悪化したんですか」「そうじゃないけど」
「副作用は1%でもあると全て列挙します、吸入薬だから頻度は高くないですが、ご心配ならやめるしかないですね」
「そうしてください」
「息切れは悪化する可能性はあります、効果と副作用を天秤にかけて使いますのでね」
「この健診結果も見てください」
「中性脂肪と肝機能障害ですか、お酒飲みのパターンですけど、まずお酒休んで下さい」
「えっ、それは無理です」
「おわかりですね、薬の副作用を気にしてやめてと言うのに健診異常の原因は除きたくないとおっしゃる、それはわがままじゃないですか?」

オンしたらオフはない

「私の病名はなんですか?」
「アルコール性肝炎ですね」
「いつ治りますか」
「いまのまま禁酒していれば、3ヶ月くらいで正常値には戻るでしょう、でもお酒飲んでいいわけじゃないですよ」
「えっだめなんですか?」
「あたりまえでしょう、飲んだらまた元の木阿弥、だから治るの意味がビミョーです」
「いまでもお酒薄めて飲んでるんですけど」
「そんなことだろうと思っていましたけど、酒飲みの医者でもそこは譲れない」
「百円以下ならまた万引きしていいよ」って刑事が言わないのと同じです

じつは自分暗殺

「胸のレントゲンを撮りましたが異常はないようですね、でも少し”汚い”感じがします、タバコは吸いますか?」
「ええ、まだやめられなくて」
「では禁煙を後押しする情報です、2012年に煙草に放射性物質が含まれていることが指摘されました。ポロニウムといいスパイの暗殺に使われて有名になった物ですが、ウランの100億倍の放射能を持ちひどい内部被爆を引き起こします」
「100億倍!最近わかったんでしょ」
「いえ1968年に指摘されてます。除去できずに葬られてきた。予想通りこの話題もニュースになることもなく忘れられましたけどね」
知らないうちに寿命を縮めている悲しい現実です

ハラハラにドキドキ

「血糖値が今回又ぐっとあがりましたよ」
「えっ、どうしてでしょう?」
「食事は変わらないでしょうしねえ」
「ええ、ダンナが野菜好きなので毎日ほとんど野菜ばっかりですよ」
「じゃあ、どうして(身体が脂肪の塊みたいになるんでしょうねえ)」
「おっしゃりたいことは承知です」
「いえ、私は何も言ってませんけど」
「そういうのドクハラ(ドクター・ハラスメント)ですわよ、病気で悩んでるのにひどいわ」
ハラハラ(ハラスメント・ハラスメント=ハラスメントだと苦情を言う)ってないのかしらん

転載:月刊東洋療法 303号
公益社団法人 全日本鍼灸マッサージ師会

Dr.タコ  昭和40年生まれ、慶應義塾大学医学部卒。田んぼに囲まれたふるさとで診療する熱き内科医。

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