トップ > お知らせ一覧 > Dr.タコの外来小咄(がいらいこばなし)308号

Dr.タコの外来小咄 (308号)

世界中の王家や名家、首脳らが日本という一点に集まると言うこと、これは本当にすごいことですね。来年の五輪に向けてこの状態が続くと思うと訳もなく気が引き締まります。雨で清められたかの後に陽がさしてきた映像を見ていて、きっといま虹が架かっているに違いないと確信したタコなのです。

 

不確定性原理?

「昨日の夜血圧が高くて、心配になって何回も測ったんだすよ、そしたらどんどん上がって、しまいには190の100になって、救急に行ったんだす」
「それは大変、でもいまは130の80ですよ」
「あら、なんでだべ、おがしいすな」
「血圧というのは、測るヒトの心の影響を受けてしまうんですよ、心配だと思えばさらに上がる」
「そういえば確かに」
「量子力学でハイゼンベルクが提唱したとおり電子のレベルでは観察する光子の影響を受けて軌道が変化して正確な観測が出来ない。つまり測定するという行為が結果に影響を与えてしまう、血圧もそんなもんです」
「そのなんとかブルクってなんですの?」
「まあいいや、独り言だから(ぶつぶつ)」
物の本当の姿はじつは絶対に知り得ないという、深~いお話し?

わたしはヒツジ(執事)

雪国ではおわかりと思いますが、冬の朝はユーウツ。皆より早起きして外に出ると案の定「アチャー」早朝に除雪車が来て車庫の前には硬い雪の壁が。
「こんな時に発車できないなんて!(清志郎風)」
せっせと雪かきしますがこれが又重い!お向かいさんと顔を見合わせて「ヤレヤレ」。ようやく車が通れるようにしたわたしの前を、ギリギリに起きた子どもを送るかみさんの車が出て行きます。
「いってらっしゃーい(まったくもー)」
ロッキーばり地味なトレーニングと思って頑張るか!

ちゃんとみてもらうとは

「風邪引いたみたいです」とお嫁さんと来たおばあちゃん
「きのうなんだか変だったんだすばって、けさは風呂さ入ればなおるべがって入って、かぜだがもなあって、ばってめしもくえるしなんともねえす(昨日から風邪かなという感じだけど食欲もありなんともない)せんせい、なんだすべ?」
「結局具合は悪くないということですか?」
「んだすばってうぢのかが(嫁)がちゃんとみでもらえって」
「だって咳とかしてるんですよ」とお嫁さん
“元気なところを並べてるけど、一つづつ症状を聞くと結構ある”というこのパターンは正直、もう何千回も?経験しています
もちろん風邪薬はお出ししますけどね

後悔どこにも立たず

「今日のお昼ラーメン屋に行ったんだけどやっぱカレーにしとけばよかった」
「どうして?」
「そこで上司に出くわしてさ、緊張してろくろく味も分からなかったモンな」
「ご愁傷様、でも後悔してもしょうがないよ」
「はあ?どういうことだ」
「冷静に考えて、今日の同時点のカレー屋を君は体験してない」
「まあね」
「今日よりよかっただろうと想像してるだけで、もしかしてそこに社長が来たかもしれない」
「まさか」
「否定できないだろ、そもそも君が一時に体験できるのは一つのパターンだけ、選んでしまったら他は絶対に選べない」
「確かにそうかもしれないな」
次善を想像しなければ常にベストなわけで、後悔自体がナンセンスじゃないかな?

転載:月刊東洋療法 308号
公益社団法人 全日本鍼灸マッサージ師会

Dr.タコ  昭和40年生まれ、慶應義塾大学医学部卒。田んぼに囲まれたふるさとで診療する熱き内科医。

PAGETOP