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Dr.タコの外来小咄 (309号)

先日不覚にも熱を出して半日寝込みました。頭痛で眠れず、何も食べられず、不安な気持ちであれこれ心配して・・・それでも患者さんの立場や気持ちが良くわかるという意味では大事な体験ですよね。一人診療所なので私が休むわけにはいかず、今年も健康で元気に頑張ろうと心を新たにしたタコでした。

 

どっちが原因?

「最近やせましたね、それに貧血になっていますよ、ちゃんと食べてますか?」
「ええ、まあ」
「好き嫌いとかはないですか」
「ないつもりですけどなあ」
お年寄りが急にやせたり貧血になると、医者としては大腸癌などを心配します
「魚はまるごと食べるとか、お肉やレバーひじきとかですね、しっかり食べてね」
「肉はあまり食べないようにしてるす」
「えっ、何か理由でもあるんですか」
「肉食べてると大腸癌になるって言うからさあ」
「そうでしたか、やはり」
「ニワトリが先かタマゴが先か」の命題と同じで、おそらく「両方同時!」ですな

病は気から

「あさからふわふわしてて、さっき安定剤飲んだんですけど心配なので来ました」
「いつも安定剤で落ち着くから、変な病気ではないと思いますよ」
「そうでしょうか」
「なぜ具合悪くなるか、原因の一つは‘思い出す’からです」
「はっ?」
「今はいいのに昔悪かったことをわざわざ思い出して心配になる、同じように悪くなるんじゃないかって」
「そうなんですよ、きのう眼科でエライ待たされたら具合悪くなって、今日もそうなるかなって」
「ほら、自分で証明してる」
「はっ?」
「かつて悪かったことを今持ち出して、牛みたいに反芻して気分を害しているでしょ」
「じゃあどおしたら?」
考えないのは無理でしょうから、結局今まで通りで

顔に書いてあります

「なんだか急に糖尿病の数値、あがりましたよ!」
「あちゃー」
「食事、気をつけているんですよね?」
「・・・もちろんです」
「じゃあ、あえて誇大に言いますが、夜9時以降の食事はダメです。あと今時は栄養がいいから腹八分じゃなく腹六分、まして、腹一杯食べたあとに『デザートどれにしようかしら』ってなしですよ!」
「どうしてそんなにリアルに分かるんですか?」

記憶時間半分の法則

「胃カメラしばらくやってないから、そろそろやりましょうか?」
「いえ2年前にやったばかりだからまだいいでしょう」
「いやいや4年前ですよ、カルテ見ると」
「えっ!まさか」
「いえ、ウソは言いません」
またべつの方
「私は4年前に胃の手術をしましてね」
「あのう、カルテによると8年前ですけど」
てなことやりとりしてるうちに、私は気づきました。みなさん時間の記憶が短縮してます、「そんなに昔だったかしら」という経験は皆さんおありだと思いますが
記憶時間は実際の半分に短縮することを発見しました

転載:月刊東洋療法 309号
公益社団法人 全日本鍼灸マッサージ師会

Dr.タコ  昭和40年生まれ、慶應義塾大学医学部卒。田んぼに囲まれたふるさとで診療する熱き内科医。

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