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Dr.タコの外来小咄 (313号)

タコも医者の端くれとして最前線で戦っておられる医療従事者には本当に頭が下がります。これまで「増大する医療費負担」としてお荷物のように言われ、削減を叫ばれてきた医療側としては、疲弊する現場を前に複雑な気持ちにもなります。この機に経済を含め社会のあり方が大きく変わるような気がします。

 

親しき仲にも隔離あり

「今やヨーロッパなんかで感染がすごいらしいね」
「多分だけど彼らの挨拶文化に原因がないかなあ」
「あいさつ文化?」
「うん、握手してハグして頬とほほをすり合わせる、すごい濃厚接触じゃないか」
「たしかに、それに比べれば日本は淡白だよね」
「基本お辞儀をして済ませるか、目で挨拶という言葉があるくらい、距離を保っている
「どこかの首相が握手はやめますと会見した直後に握手してしどろもどろになってたね」
かつて日本もえらい目にあったのかもしれません

虹の彼方に

「ほら見てごらんすっごく大きな虹だ!」
「ワオ、おまけに外にもう一つダブルレインボー」
「ところで、まさかあの大空のなかに虹があると思っていないだろうな」
「はっ?」
「空中の水滴に光が屈折して起こる光学的現象だから、あそこにはなにも存在しない、言ってしまえば、虹はおまえの目の中にある、違うか?」
「んなばかな!理屈じゃそうかもしれんが」
「虹のたもとに行ったら大きな虹の幹が見えるのか?」
「見えないね、でも、そうやって夢を壊して何が言いたいんだ?」
虹を見られるって言う奇跡、これはまたハンパないことではあるよね、いずれにせよ

公共サービスだったら

「公立病院が記事になるときは決まって赤字の問題だね」
「議会の答弁でも院長はその説明・弁解に終始する」
「全国のほとんどの公立病院は赤字だって言うじゃないか」
「そうかもしれない」
「救急車は消防署が管理してるし、この感染症対策を見ても病院はある意味すごい公共サービスだよね」
「でもね『医業は収益を目的としてはならない』って法律に明記されてるんだもの」
「そうなの?」
誰も「警察・消防が赤字だからもっと稼ぎなさい」とは言わないでしょうに

アンプラグド・ライフ

たそがれ夫婦の会話
「そうか、もう間に合わないんだ」
「そうよ、でもあなたは5年前に大丈夫だって、それに○○さんもこうした方が良いんじゃないかって言ったけど結局そのままになって」
「すごい記憶力だね、感心するよ」
「・・・」
「そんなことも覚えてないの?って非難されたように感じるのは卒業したんだ」
「??」
「逆にそんなに沢山の記憶を持ち歩いて、事あるごとに参照していたら大変だね」
「何が言いたいの?」
ボクはとっくにコンセントを抜いちまったんだけど、それは言ってなかったっけ?見りゃわかるか・・

転載:月刊東洋療法 313号
公益社団法人 全日本鍼灸マッサージ師会

Dr.タコ  昭和40年生まれ、慶應義塾大学医学部卒。田んぼに囲まれたふるさとで診療する熱き内科医。

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