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Dr.タコの外来小咄 (321号)

あっという間に過ぎた感の2020年ですが、冬が年輪に濃く刻まれるように、良くも悪くも強く印象に残る年でした。自分も五十肩やら老眼、白髪、尿が細くなるなど、身を以て体験するようになりました。現状に逆らわず、生食用から酢だこを経て(?)、さらに熟成を重ねていきたいと思うタコなのです。

 

「君の名は?」症候群

狭い町なので、知り合いが患者さんとして来ることがあります、しかし、どうしても思い出せないことが最近多い
「こんにちは、せんせい、おひさしぶりです!」
「あっどうも(誰だっけ?)お元気そうですね」
「ええ、おかげさまで、なんとかやってます」
「今日はどうされました?」
「ほら、こないだお話したでしょう?こちらでお薬もらおうと思って」
「はいはい(いつだっけ?)あちらにいけなくなったというやつですね」
「そうなんですよ、なんとかお願いします」
外科みたいに「切ったり貼ったり」できませんが「ハッタリ」かませるのが内科なのです

健忘心配症候群

情けないことに「それ昨日も聞いたよ」と言われることが増えました。
よっぱらって記憶メモリーが減少しているのは自覚しています。
ギャグで「オレはメモリーちビット(僅少)しかないよ」といってますが、最近弱気になり、話し始める前に前置きをします。
「あのう、これ前に話したかもしれないんだけど」
「ぶっこわれレコード」と言われるのが嫌なヒトは、次第になにも話さなくなる気持ちがわかりました、ふー

外堀症候群

私も含めて、人の名前がすぐには出てこなくなります
「ほら、あの俳優、イケメンで、最近良く医者のドラマに出てる人」
「誰だろう、○○○かな?」
「そうっ!その人」みたいな感じ
直接行けずに、周りを埋めていくので「外堀症候群」と名付けました
「なんだか最近胸のあたりがあれなんです」
「あれ、というと」
「痛くはないんですけど、苦しいわけでもなくて、こうなんといいますかね」
「う~ん、わかりますけど、症状は御本人以上にはわからないですからね」
これも一種の外堀症候群か

ミッション・ポッシブル

「君も55才じゃないか、もういい年だぜ」
「同級生のおまえに言われたくないけどな。実際、トム・クルーズより若いんだ、そんなに親父ぶってる場合じゃないだろ」
「しかしな、現実問題、飛んでる飛行機にしがみついてるのは無理だぜ」
「あのなあ、そんなこと要求されてない!不可能なミッションに挑むのも良いが、出来るミッションを楽しむのも大事じゃないか」
「出来るミッション?」
「そう、歯を磨く、ラジオ体操、車の運転(カーチェイスしない)、枝豆を味わう、子供とバカ話をする、布団の上で眠りに落ちる、すごいミッションだ」
「そんな他愛もないこと、誰でも出来るだろう」
「ホントか?」「えっ」
そういう日常茶飯事を「ミッションだと思って」やっているかね、エージェント・タコ?

転載:月刊東洋療法 321号
公益社団法人 全日本鍼灸マッサージ師会

Dr.タコ  昭和40年生まれ、慶應義塾大学医学部卒。田んぼに囲まれたふるさとで診療する熱き内科医。

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