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Dr.タコの外来小咄 (325号)

ワクチン接種はタコの予想がやはり起こっているようですが、「無い袖は振れない」ということで受け止めて、また普段の診察風景に戻ってみたいと思います。こちらは雪も消え桜が咲き始めて、新入生や田んぼの仕込みを始める農家の皆さんの姿が目につくようになりました。

 

◎ あなたには脈がある

「先生、血圧はいいんですけど気になることがあって」
「はい、なんでしょう?」
「自分は脈が遅いような気がするんです」
「みゃくがおそい!?」
「血圧測ると脈拍がいつも50とか55とか」
「個人差がありますから別に遅くないですけどね、なにか症状はありますか?」
「別にないです」
「長距離走者はスポーツ心臓といって遅かったりしますけどね」
「自分は運動はしてないです」
「気にしないでいいと思いますよ。ちなみに、生き物が一生に打つ心拍数は同じだという説があります。アリはすごく早いけど象はすごくゆっくりです、だから、脈が遅いのは長生きするのだと思ってはいかがですか?」

◎ 洋式トイレで失ったもの?

小中学校の学校健診で「運動器健診」が導入されました
関節の病気や側弯などを見つけるという目的はあるのですが「前屈して指が床につくか」「片足で5秒立てるか」など調査項目がいっぱい
なかでも「かかとをつけてしゃがめるか」という項目があり、その結果にびっくり。意外とできない子がいます
目の前でやってもらうと、後ろにひっくり返ってしまう。ぽっちゃり系の子に多いけどスポーツやっていてもできない子もいる
「そうか、イマドキの子はトイレでしゃがまないからか!」
かつて、和式トイレは血圧が上がるとか腰に悪いと言いましたが、功罪があるのかも

◎ 両手を縛られて

「風邪のようです」と久しぶりの患者さんカルテにメモ
「お久しぶりです、どうしましたか?」
「もう随分とになるんだばって・・・」
持病が悪化して入院して以来、総合病院に通院中です
「足がはれるし、昼間眠くて仕方ないんだすよ」
「あれっ、風邪じゃないんですか?」
「それもあるばって、眠くて・・・」
「お薬手帳見ると安定剤飲んでますね、それが残って眠いなら、飲むの休めばいいんじゃないですか」
「だばって眠れながったらどうしようって心配だし」
「そもそも僕が出した薬じゃないので、やめられないって言うなら、両手縛られてるようなもんで何にもできないんですけど」
目が覚める覚醒剤なんて医薬品には存在しませんからね!

◎ 「今やらない」は「一生やらない」

「また血糖が上がっていますね、何か運動していますか?」
「いえ、ほとんどなにもしてないですね」
「とりあえず、ウォーキングからやりましょうよ」
「そうですけど、なかなか面倒でねえ」
「いままで、雪があるから、寒いから、とか言ってましたが、今は気候がよくて桜まで咲いてます。こんな気持ちがいい時に、散歩しない人は、おそらくあと一生散歩なんてしないでしょうね!」
「・・・」
タコもよほど外に出たくてしょうがないんですから

転載:月刊東洋療法 325号
公益社団法人 全日本鍼灸マッサージ師会

Dr.タコ  昭和40年生まれ、慶應義塾大学医学部卒。田んぼに囲まれたふるさとで診療する熱き内科医。

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