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医者いらず健康長寿処方箋(93)

健康科学研究所所長・大阪市立大学医学部名誉教授 井上正康


 井上正康先生は、癌や生活習慣病を「活性酸素」やエネルギー代謝の観点と、地球や生命の歴史という大きな視野で研究されている国際的研究者です。現在、多くの府県師会主催の公開講座で講演され大好評を博しています。ぜひ貴師会でも!
ご連絡はURLより。 http://www.inouemasayasu.net

「新型コロナの主要感染経路と失敗の本質」

 遺伝子の突然変異はランダムに起こり、多くの場合は欠陥品となり消えて行く。ヒトではこれが『遺伝病』となり、生存に不可欠な機能が失われると致死性になる。約3万個の塩基からなる新型コロナの遺伝子は約2週間に1回変異しながら大半が感染力を失って消滅しているが、感染力が増加した変異株は絶滅する事なく人類と共存していく。事実、130年前のロシア風邪が2019年まで旧型コロナとして、100年前のスペイン風邪もインフルエンザとして人類と共存してきた。武漢で誕生した新型コロナのS株やK株も、上海(G型)株、英国(α)株、南ア(β)株、ブラジル(γ)株、インド(δ)株などに変異しながら人類と共存し続けている。
 新型コロナは低温低湿なら体外でも感染力を長期間維持できる「冬型の風邪ウイルス」である。免疫力の低下する冬季にコロナ風邪が流行るのはRNA遺伝子が安定化するからである。お腹を冷やすと夏でも“夏風邪”に罹るが、その大半は3日寝てたら治るものであった。しかし、感染力が著しく増強したδ株は、僅か数ヶ月で全国に拡散して集団免疫を確立して急速に収束した。これは毎年2月をピークに約1千万人が発症して収束するインフルエンザと同様であり、この際には数千万人以上が軽症~無症候性感染者となり、毎年集団免疫が確立されている。突然変異により感染力が増強すると“PCR陽性波”は大きくなるが、重症化率や死亡率は逆に低下していくのがウイルス感染の基本的パターンである。時折、この狭間にSARSやMERSなどの強毒株が現れるが、毒性が強すぎるためにホストと共に消えていく。
 大半のウイルスは免疫系で排除されるが、この免疫力は良い事ばかりではない。変異の激しいRNAウイルスでは特定の抗体との組み合わせで抗体依存性感染増強(ADE)が起こる。ADEはサイトカインストームを介して重症化させることがSARSの時に判明し、RNAウイルスに対するワクチン開発が凍結された。エイズ、SARS、MERS、エボラ、C型肝炎、デング熱ウイルスなどに対する安全なワクチンが無いのはADEの為である。ワクチン先進国のシンガポールやイスラエルなどでブースター接種直後に感染爆発が起こったが、これにADEが関与している可能性が危惧されている。最近、日本人患者でADE抗体が発見されたので、今後、ワクチンを接種し続けると感染爆発で死者が激増する可能性がある。新型コロナの感染病態は血栓症であり、スパイク自体が血栓を誘発する毒蛋白である。このスパイクを体内で生産させる遺伝子ワクチンが毒物だった事に世界がやっと気付き始めた。今後、ワクチンの反復接種により、血栓症、血管障害、自己免疫疾患、及び時限爆弾的ADEなどが深刻化する可能性があり、遺伝子ワクチンの接種を国際的に中断する事が急務である。
 日本の感染症専門家の大半はインフルエンザの研究者であり、新型コロナが上気道感染して肺炎を起こすウイルスであると誤解している。富岳の強烈な飛沫映像が多くの医師達に“新型コロナは空気感染する”と思い込ませ、国民の恐怖感を煽ってマスクヒステリーを誘発させた。皮肉な事に、口腔内を毎日覗き込んで仕事をする歯科医や耳鼻科医はコロナに罹りにくい集団である。口腔内は自然免疫系が最も発達した場所であり、様々な生体防御因子や“神風細胞”と呼ばれる白血球が大量の活性酸素を産生して感染防御しているのである。口腔内は活性酸素のミサイルが飛び交う過酷な戦場であり、その威力は毎分数百兆個もの分子を断片化することが可能である。人間や哺乳類のお母さんが子供の傷を舐めてやるのは無意識的な感染予防法なのである。歯科医達は断片化されたスパイクなどに毎日暴露されながら粘膜免疫系を軍事訓練しており、コロナにも罹りにくいのである。一方、歯周病患者は新型コロナに20倍も罹りやすい事が判明している。これらの事実は、過酷な口腔内で生き残った新型コロナが粘膜の微細な傷口から血中に入って感染していることを示唆する。新型コロナの主な感染部位はACE2が最も多い消化管の血管壁細胞であり、そこで増殖して血栓を誘起すると同時に便と共に体外へ排出されている。事実、下水路のPCR検査で上流のクラスターを2週間早く検知でき、唾液での検査が陰性になった後も数週間陽性反応が続く事が知られている。この為に北京空港では旅客の肛門スワブでPCR検査をしており、これが人権問題になった事がある。新型コロナの発祥地での感染症対策は遥かに進んでいる様である。唾液のPCR検査で20サイクル(Ct値)以下で陽性になる場合は口腔内に感染力のあるウイルスが存在して飛沫感染しうるが、空気感染は主要な経路ではない。もしコロナが空気感染するなら、山手線や地下鉄の沿線沿いで感染爆発し、人口密度に依存した感染者の分布図になる。しかし、その様な気配は国内外で見られない。
 「もう騙されない新型コロナの大誤解」の著者は、「ウイルスは細菌と異なり手指から感染しない。手洗いや消毒は不要」などと感染症の専門家とは思えない非常識な発言を繰り返している。この医師も『糞口感染の代表であるノロウイルスが手指を介して汚物から口腔経由で感染する』と言う教科書的事実はご存知と思うが、新型コロナが血管壁のACE2標的型ウイルスであり、その組織内濃度が小腸>大腸>胆嚢>心筋>腎臓>肺>口腔である事を報告した重要論文をご存知ないのであろう。2020年の医学論文NEJMで「新型コロナは低温低湿度ではスマホなどのガラス表面で感染力を2週間以上維持でき、トイレなどの非三密空間を介して“時差感染しうる冬型の風邪ウイルス”である事が証明されている。これらの事実から、この著書は「又もや騙された残念な本」になっている。
 新型コロナはトイレを介する糞口感染が主な経路であり、専門家がこの事実を見落としている為に全ての対策が失敗し続けてきた。この主要感染経路を遮断する事が重要であり、アルコールの消毒器はトイレの中に置き、使用前後に便座やドアノブにシュッと吹きかけて手を洗うだけで有効な感染予防法となる。 子供や若い世代への遺伝子ワクチン接種の愚行を即時中止し、新型コロナの変異株のリスクが高まる冬季に向けて「口腔ケア、手洗い、ウガイ、鼻洗浄、トイレの消毒」を心掛けながら、過剰反応せずに粛々と日常生活を送ろう。

転載:月刊東洋療法331号
公益社団法人全日本鍼灸マッサージ師会

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