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医者いらず健康長寿処方箋(95)

健康科学研究所所長・大阪市立大学医学部名誉教授 井上正康


 井上正康先生は、癌や生活習慣病を「活性酸素」やエネルギー代謝の観点と、地球や生命の歴史という大きな視野で研究されている国際的研究者です。現在、多くの府県師会主催の公開講座で講演され大好評を博しています。ぜひ貴師会でも!
ご連絡はURLより。 http://www.inouemasayasu.net

「感染症の歴史とコロナ禍の終焉」

 WHOは2021年11月末に南アフリカでの新型オミクロン株の激増を警告し、日経新聞も12月5日に南アでの新規感染者が前日比で4割近くも増えている事を報じた。これまでは南アの主要な変異株だったデルタ(δ)株が、11月中旬には全検体でオミクロン株に置き換わっていた。各国政府は南アからの入国を速やかに制限したが、既にオミクロン株はイギリス、ドイツ、イタリア、ベルギー、チェコ、カナダ、オーストラリア、香港、日本を含む60ヶ国以上に侵入済み(11月15日現在)であり、“無症候性パンデミック”として世界中に拡散しつつある。スパイクに32ヶ所もの変異があるオミクロン株は、α、β、γ、δ株などと異なる変異系統であり、SARS-COV2Sと同系統のCOV-229Eに同時感染した宿主で誕生したと考えられる。スパイクに多くの変異があるオミクロン株は、血管壁ACE2とは異なる感染受容体を新たに獲得し、スパイク蛋白の開裂部位に近いH655Y、N679K、P681Hなどの変異が感染増強に関与していると考えられる。世界の感染状況を分析すると、現在のワクチンは無効であり、逆に再感染や感染爆発を誘発する危険性が示唆される。幸いにもオミクロン株の感染者は大半が無症状であり、発症しても頭痛、咳や喉の痛み、倦怠感などの軽い風邪症状で経過して重症化する兆しは見られない。
 新型コロナと呼ばれる様に、コロナには旧型も存在する。130年前にパンデミックとなったロシア風邪のウイルスが元祖コロナである。当時は14億人の世界人口で100万人が死亡したので大変な惨状であったが、速やかに集団免疫が確立され、ワクチンや特効薬も無かったのに僅か1年で自然収束した。以来、元祖コロナは130年間も人類と共存し、4種類の旧型コロナ集団へと変異しながら東アジアに生息し続けてきた。ロシア風邪の30年後にパンデミックとなったスペイン風邪は、カンザス州の兵舎で誕生した米国産インフルエンザであり、第1次世界大戦のヨーロッパへ飛び火して約1億人が死亡した。子供と高齢者のリスクが高いインフルエンザでは、死亡率が年齢依存性のU字型を示すが、米国の第2波では中央部(25~35歳)に不自然な高いピークが形成されて被害が増大した。これは政府により解熱剤のアスピリンを大量投与(~30g/日)された兵士達が肺浮腫と呼吸困難で死亡した薬害であった。事実、アスピリンの大量投与が中止された翌年にスペイン風邪は速やかに自然収束した。今回の遺伝子ワクチンと同様に、政府の投薬介入がなければもっと短期間で自然収束したと考えられている。スパイクが血栓症、心筋炎、血管障害を誘起する毒蛋白である事が判明した今回の遺伝子ワクチンでも世界中で政府主導型の人災的副反応被害が深刻化している。経験の科学である医学は「自然感染による集団免疫の獲得が最良の処方箋である事」を教えている。感染症の歴史から学ぶべき事は「変異株へのシームレスで緩やかな感染が集団免疫力を獲得進化させて重症化や死亡率を抑制する事実」である。日本人は土着コロナによる毎年の免疫軍事訓練に加え、19年暮から翌年2月までに大量の中国人旅行客と共に入国した弱毒武漢株に無症候性感染して強力な集団免疫力を獲得していた。その直後に政府チャーター便で帰国した日本人が持ち帰った強毒G型株で第1波が始まったが、ウイルス干渉でインフルエンザが激減した事と集団免疫力が“神風”となり、20年度の日本人超過死亡数は世界一低く抑えられた。その後2021年夏までに5回ものPCR陽性波に曝露された日本人は、“新型コロナ変異株の生ワクチン”を6回も接種したのと同等の免疫力を獲得更新している。最近、理化学研究所が“新型コロナ未感染者”の約6割に新型コロナと反応するキラーT細胞が存在する事を報告した。これは“変異株に何度も無症候性感染して集団免疫を獲得した事実”を示す揺るぎない証拠である。
 感染力が激増したオミクロン株が世界中で“無症候性パンデミック”となりつつある事実は、新型コロナが“感染力の強い普通の風邪”に進化したことを意味し、新年が“コロナ騒動終息の幕開け”になる事を示唆している。メディアや自称専門家のインフォデミックに煽られて政府や国民が過剰反応しなければ、日本でもポストコロナ時代の清々しい年明けを祝う事が可能である。インフォデミックと視野狭窄のコロナ脳が無意味な人流抑制政策とワクチンヒステリーを暴走させた人災的国難で多くの生命と生活が奪われた。この「失敗の本質」を俯瞰的に反省し、新時代に相応しい死生観を再構築する新年となる事を願ってやまない。

転載:月刊東洋療法333号
公益社団法人全日本鍼灸マッサージ師会

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