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医者いらず健康長寿処方箋(96)

健康科学研究所所長・大阪市立大学医学部名誉教授 井上正康


 井上正康先生は、癌や生活習慣病を「活性酸素」やエネルギー代謝の観点と、地球や生命の歴史という大きな視野で研究されている国際的研究者です。現在、多くの府県師会主催の公開講座で講演され大好評を博しています。ぜひ貴師会でも!
ご連絡はURLより。 http://www.inouemasayasu.net

【無症候性パンデミックとオミクロン狂騒曲】

 生物の基本的栄養素は、水、ミネラル、及び異種生命体である。植物にとってはウイルス、カビ、若葉を食べる昆虫や草食動物などが脅威であり、動物にとっては病原体が永遠の宿敵である。これに対して植物界は生物毒を創生し、動物界は免疫系を進化させてきた。「毒でなければ薬ではない」との名言がある様に、植物のスパイスは毒でもあり薬でもある。スパイスが調理に用いられるのはその典型であり、病原体や動物の餌食にならない為に進化させた生物毒である。刺身に添えられるワサビや生姜をはじめ、肉料理に多用されるニンニク、胡椒、香草などには放射線に匹敵する殺菌力があり、スパイスで適切に調理する事により感染リスクを下げながら美味しく食べることができる。唾液はIgAをはじめとする多様な防御因子を含んでおり、免疫防御系のフロントラインでもある。子供の傷口をお母さんが舐めてやるのも感染症対策なのである。食事でもスパイスの毒性を排除する為に多量の唾液が分泌され、アミラーゼの作用でご飯を更に美味しく食べられる。
 甘味、塩味、酸味、旨味などには其々一種類の受容体遺伝子が対応しているが、苦味や辛味には約29種類もの“TRP受容体遺伝子”が対応し、食物の天文学的情報を感知している。スパイスは“美味しさへの欲望”を刺激しながら、無意識下で免疫防御系として機能している。日々の調理から様々な神事も含めて、人間の営みの多くは無意識的な感染症対策として進化した免疫的生存戦略でもある。人はパンデミックの歴史から様々な教訓を学ぶ事ができ、そこに新型コロナ騒動を解決する為の重要なメッセージがある。130年前にパンデミックとなったロシア風邪では人口14億人で百万人が死亡したが、ワクチンも無い時代に僅か1年で収束した。これが3年前まで変異し続けながら4種類の旧型風邪コロナに進化してきた元祖コロナウイルスである。その内の2種類はインフルエンザと同様に上気道粘膜のシアル酸に、1種類は新型コロナと同様に血管壁のACE2に、残りの1種類(229E型)は鼻や喉の粘膜のアミノペプチダーゼN(APN)に結合して感染する“風邪のウイルス”となった。100年前にパンデミックとなったスペイン風邪では約1億人が死亡したが、第1波より翌年の2波で多くの死者が出た事から、“ウイルス感染では波が繰り返される度にリスクが低下する”との教科書的事実が一時的に疑われた。毎年のインフルエンザでは年齢依存性に子供と高齢者のリスクが高いU字型被害を示すが、スペイン風邪では第2波で中央部に不自然なピークが現れてW字型の被害となった。実はこの第2波では25~35歳の兵士達に中毒量の解熱剤アスピリンが大量投与(~30g)され、その薬害で多数が死亡していた。このW字型の死因が解熱剤による薬害である事に気づいた米軍がアスピリンの大量投与を中止した結果、翌年には死亡者が激減して自然収束した。この薬害は現在の遺伝子ワクチンによる人災被害と極めて類似している。
 メディアと専門家が煽ったパンデミックの恐怖感からロクに安全試験もされてない遺伝子ワクチンが世界中で半強制的に接種され、2回目の接種後にブレイクスルー感染が頻発し、3回目のブースター接種後に多くの国々で爆発的な感染が誘発されている。新型コロナの遺伝子ワクチンは自然免疫系を抑制して感染リスクを増強させる可能性が判明し、世界的に失敗した事が明白になった。しかし、賞味期限切れの危険なワクチンは未だに接種され続けている。これは感染力が増強したオミクロンの急速拡大で第6波のPCR陽性波が可視化され、巨大製薬企業がメディアで不安感を煽り続けている事が主因である。100年前には欧米資本が中国を阿片漬けにして略奪したが、今では巨大資本が世界的規模で人類を遺伝子ワクチン漬けにしている。
 新型コロナの幹株から誕生したオミクロン株には約50箇所もの変異があり、スパイクの切断部位のアミノ酸置換(H655Y、N679K、P681H)により感染力が激増すると同時に、血管壁のACE2に結合できなくなり血栓症のリスクが激減した。この遺伝子激変によりオミクロン株は上気道の上部粘膜APNを介して感染する“風邪のウイルス”に変身した。これがオミクロン株が“無症候性パンデミック”として世界中に急速拡大した分子基盤である。ワクチンが無かったロシア風邪は一年で収束して4種類の旧型風邪コロナに変異しながら人類と130年間も共存してきたが、新型コロナは2年かけて“喉型風邪コロナ”に変身した。事実、オミクロンの感染者は大半が無症状であり、たとえ発症しても喉の痛み、頭痛、微熱、倦怠感などの“軽い風邪症状”で経過し、世界的にも重症化の兆しは診られない。オミクロン株のスパイク構造はα~δ株と著しく異なる為に既存のワクチンは無効であり、逆に抗体依存性感染増強を誘発する危険性が高い。現在のワクチンがオミクロン株に無効な事はファイザー社も認めており、3ヶ月以内にオミクロンの専用ワクチンを開発すると報じている。しかし、専用ワクチンが開発される前に現在のオミクロンの波は収束するであろう。現存のウイルスに対するワクチンは新変異株に常に遅れをとる宿命にある。「変異株に緩やかに曝露し続けて免疫力を免許更新する事が重症化や死亡率を抑制する基本である事」が医学的定理である。日本人は旧型コロナによる毎年の免疫軍事訓練に加え、多数の中国人旅行客が持ち込んだ武漢型弱毒株に早期に無症候性感染して集団免疫を確立していた。その事がファクターXと呼ばれた“神風”となり、日本での感染被害と2020年度の超過死亡数を世界一低く抑制してくれた。その後もPCR陽性波に曝露され続けた日本人は、“新型コロナ変異株の生ワクチン”を6回も接種したのと同等の免疫力を獲得している。理化学研究所も“未感染者の大半が新型コロナに対して免疫反応するT細胞を有する事”を2021年に報告しており、“日本人が集団免疫を獲得している事”は紛れもない事実である。この免疫記憶は保存されるが、スパイク抗体は短寿命でワクチン接種でも速やかに低下する。この事実は大半の日本人に“コロナワクチン自体が有害無益である事”を意味する。感染力が激増したオミクロン株が“無症候性パンデミック”となった事実は、世界的にも新型コロナが“感染力は強いが軽症の風邪ウイルスに変身した事”を意味する。これは“コロナ騒動の世界的終わりの始まり”であり、メディアや自称専門家が恐怖心を煽り続けて政府や国民を過剰反応させなければ、安全なポストコロナ時代の幕を明ける事ができる。インフォデミックと視野狭窄のコロナ脳が人流抑制政策とワクチンヒステリーを暴走させた人災で多くの生命と生活が奪われた。この「失敗の本質」を肝に銘じ、いい歳の大人がマトモな死生観を取り戻す事が本年の最重要課題である。間違っても大人の馬鹿騒ぎで“コロナリスクが皆無の子供達に危険な遺伝子ワクチンを接種させる愚策”を許してはならない。

転載:月刊東洋療法334号
公益社団法人全日本鍼灸マッサージ師会

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