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医者いらず健康長寿処方箋(97)

健康科学研究所所長・大阪市立大学医学部名誉教授 井上正康


 井上正康先生は、癌や生活習慣病を「活性酸素」やエネルギー代謝の観点と、地球や生命の歴史という大きな視野で研究されている国際的研究者です。現在、多くの府県師会主催の公開講座で講演され大好評を博しています。ぜひ貴師会でも!
ご連絡はURLより。 http://www.inouemasayasu.net

【遺伝子ワクチンと現代医療の敗北】

 人類の歴史は飢餓や感染症との戦いの歴史でもある。感染症の様相は時代により大きく変化し、原始狩猟社会ではマラリアの様に地域特有の風土病であった。農耕の発達と共に人々が密集して生活する様になり、交通手段の発達や戦争などでの広域移動に伴い感染症も飛躍的に拡大して世界的なパンデミックを誘発する様になった。パンデミックの歴史では100年前に約1億人が死亡した“スペイン風邪”が有名であるが、その30年前にも約100万人が死亡した“ロシア風邪”が猛威を奮っていた。このロシア風邪が“元祖コロナウイルス”によるパンデミックであり、以後、冬型の風邪ウイルスとして我々と130年間も共存してきた。現代と同様に当時も有効な薬や安全なワクチンは無かったが、何故かロシア風邪は僅か1年で収束した。スペイン風邪では第2波で兵士達に大量のアスピリンが投与されて薬害で人災被害を深刻化させたが、投薬を中止した翌年には自然収束した。この事実は現在の遺伝子ワクチンの問題を考える上で極めて重要である。ウイルスに対する防御には免疫力が重要であり、両パンデミックを収束させた真の立役者もヒトの免疫力であった。
 感染症では免疫系が病原体の情報を記憶し、これが感染の波度に強くなり重症化や死亡率が抑制されて動的平衡状態で収束する。免疫記憶には抗体産生のBリンパ球や細胞性免疫のTリンパ球が関与するが、両者の記憶力は病原体により大きく影響され、麻疹や天然痘では1度の感染で終生免疫が獲得される。一方、風邪コロナに対しては短期間で抗体が低下するので毎年の様に風邪をひくが、ウイルスの情報が記憶されているので速やかに臨戦態勢が発動され、大半は3日寝てたら治るのである。
 15世紀のヨーロッパでは天然痘が流行し、これが日本にも入国して“痘瘡”として恐れられていた。この様な高致死率の流行病からお世継ぎを守ることは、国家存亡にかかわる重大事であった。天然痘では体中に発疹ができて“痘痕”が残り、春日局にはこの“痘痕”があったことから徳川竹千代の乳母に抜擢された。当時でも“痘痕”がある治癒者は他人にも天然痘をうつさない事が知られていた。イギリスの医学者エドワード・ジェンナー(1749~1824年)も「牛痘に罹患した搾乳者は天然痘に罹らないとの経験知」をヒントに“天然痘ワクチン”を開発した。これは“類似のウイルスが交差免疫反応で排除される事”を示した最初の症例である。しかし、感染症の歴史を俯瞰視すると、“ワクチンよりも自然な感染こそが最良の免疫強化法である事”が判る。
 免疫系には粘膜や皮下組織で発達している自然免疫に加え、抗体の液性免疫や感染細胞を殺す細胞性免疫などがある。将棋に例えれば、“歩”が自然免疫、“桂馬や飛車角”が液性免疫、“金銀”が細胞性免疫に相当する。全ての病原体は皮膚や粘膜から侵入するので、そこでの攻防戦が最も重要であり、上気道粘膜に感染するインフルエンザ、旧型コロナやオミクロンでは自然免疫系での攻防が病態を左右する。我々が古くから慣れ親しんできた旧型風邪コロナと今回の新型コロナの遺伝子は約50%類似しており、スパイク蛋白のN末端部位(NTD)に対する抗体は交差免疫反応を示す。
 武漢で誕生した新型コロナ弱毒株が2019年末から翌年2月末にかけて多数の中国人と共に来日し、大半の日本人が気が付かない内に無症候性感染していた。これは3ヶ月間に“新型コロナの生ワクチンを2回接種した事”と同等の免疫効果があり、日本人は速やかに集団免疫を獲得していた。その直後の3月に政府のチャーター便で欧米から多数の日本人がG型強毒株と共に帰国したが、国内では交差免疫力のお陰で感染や重症化が強く抑制された。これが“日本の神風・ファクターX”であった。
 2021年暮れに南アフリカで発見されたオミクロン株は、ステルス戦闘機並のスピードで世界中に拡散されて“無症候性パンデミック”となった。大半の日本人も気がつかずにオミクロンに感染し、既にピークアウトしつつある。オミクロンは武漢の幹株から独自に変異してきた株であり、スパイクの分子構造も“α~δ株”とは大きく異なる。試験管内解析ではオミクロン株もACE2受容体に結合すると考えられている(Nature)が、実際の感染者で血栓症や血管障害で重症化した症例は世界的に観られない。感染力の強いオミクロンはヒトでは鼻や喉の粘膜組織に局所的に感染し、大半が無症状~軽症で経過する“典型的な風邪ウイルス” なのである。
 新型コロナのα~δ株ではスパイク蛋白が血管内皮細胞を障害して血栓症を誘発し、欧米諸国ではかなりの被害者が出た。驚いたことに、遺伝子ワクチンにより体内で産生されるスパイク蛋白も同様に血栓~血管病態を誘発する為に、血栓症や心筋炎をはじめとする多様な副作用が世界中で激増しつつある。最新の国際論文で「筋肉内接種型の遺伝子ワクチンが自然免疫系を抑制して様々な感染症や癌を激増させる事実」が報告され始めている。2回接種しても簡単に“ブレイクスルー感染”が起こり、3回目の“ブースターショット後には感染爆発”で重症化している事実は遺伝子ワクチンによると考えられている。
 現在、多くのメディアや自称専門家が長年の医学常識や医療倫理を完全無視して「遺伝子ワクチンは安全で有効との誤情報」を垂れ流し、政治家や国民にワクチンヒステリーを誘発させて異常事態を暴走させている。政府、厚労省、専門家集団は典型的な『裸の王様』であり、“危険な遺伝子ワクチンを新型コロナリスクが皆無の小児にまで接種させる愚策”を国会で審議している。この狂気は後に厳しく批判されて歴史に大きな汚点を残すであろう。しかし、日本にも新型コロナの実像を冷静に分析対応している医療関係者が『有志医師の会』を立ち上げ、「遺伝子ワクチンの正しい情報と対処法」を政府や国民に伝えながら『遺伝子ワクチンの即時中止』を求めている。大切な子供達の生命を守る為に、読者諸氏にもご支援をお願い申し上げます。

現代適塾URL:http://www.inouemasayasu.net

転載:月刊東洋療法335号
公益社団法人全日本鍼灸マッサージ師会

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