トップ > お知らせ一覧 >Dr.タコの外来小咄(がいらいこばなし)345号

Dr.タコの外来小咄 (345号)

明けましておめでとうございます。昨年は本当に沢山のことがありましたが、新年を迎えて気持ちも新たに、仕事に取り組みたいですね。ということで、初笑いを兼ねて久しぶりのがいらいこばなしです。今年は皆さんが笑顔あふれる年になりますように。

 

スマホを落としただけなのに

「家に帰ったらスマホがなくて、ここに忘れたかも」
真夏の土曜で、立ち飲みに寄った近所の酒屋に戻ると
「ちょうどよかった、さっき生ビールのお代もらうの忘れて、それを払いに来たんじゃないですか?」
「違いますよ、僕の携帯鳴らしてもらえますか」
するとレジ前のカゴの中で着信音が・・・
「財布出すときカバンひっくり返してここに入ったんだ」
「あれっ先生、せっかくだから、一緒に飲みましょうよ」
結局、いつもの飲み仲間で遅くまで立ち飲みしたのでした

スマホを見てるだけなのに

「ご飯食べてる間もスマホを気にしとるな」
(娘)「・・・」
「高校生の平均スクリーンタイムは7時間だって」
「私は休みの日は16時間やで」
「小中学生でスマホをやめたら偏差値が10上がったっていう統計があるらしい、もう手遅れだけど」
「ふーん」
「家庭学習ゼロの子もスマホを持ってると成績が下がる」
「なんでやねん」
「マルチタスクの弊害だと。集中力低下、記銘力低下、なにしろアホになるのは間違いない」
「なんでわかってて規制しないのかな」
「タバコと一緒、そこんとこスマホでググってみたら」

スマホを見ないだけなのに

久しぶりに息子と会いました
「この辺に美味いトンカツ屋があるらしいな」
「あるね」
さすがに待ち時間長いです
「ちょっと、お願いしていいかな?」 「?」
「俺の前ではスマホにさわらないでいて欲しい」
「あいよ、りょうかい・・・」
「こうでもないとお互い顔を見ないんじゃないか」
「たしかに」
「見たからどうってわけじゃないんだけど」
「だいぶ白髪が増えたんじゃない?」
「そうだな・・・」

スマホに収まる人生にせんといて

「思い出した、とある四コマ漫画なんだけど」
「なんやねん」
「GWに家族で観光地に出かけたら、ずっと渋滞で、運転手の父親は、帰ってきてから思い出せるのが、素晴らしい景色や、食べ物とかじゃなくて前の車のナンバープレートだけだったというオチ」
「で、何が言いたいの?」
「最期に思い出すのがスマホの画面、ていう人生は寂しくないか?」
「それ面白いね、さっそくSNSにアップしようかな」
「・・・」

転載:月刊東洋療法345号
公益社団法人全日本鍼灸マッサージ師会

Dr.タコ  昭和40年生まれ、慶應義塾大学医学部卒。田んぼに囲まれたふるさとで診療する熱き内科医。

PAGETOP