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健康科学研究所所長・大阪市立大学医学部名誉教授 井上正康
井上正康先生は、癌や生活習慣病を「活性酸素」やエネルギー代謝の観点と、地球や生命の歴史という大きな視野で研究されている国際的研究者です。現在、多くの府県師会主催の公開講座で講演され大好評を博しています。ぜひ貴師会でも!
ご連絡はURLより。 http://www.inouemasayasu.net
今回のパンデミックで緊急承認された遺伝子ワクチンが接種されはじめて2年近くになる。古くより『毒でなければ薬ではない』との名言があるように、生命を維持する代謝輸送系に作用する毒物を匙加減すれば薬として利用できる。病人に投与する薬の場合、効果が大きければ多少のリスクがあっても使用することになる。一方、多数の健常人に接種するワクチンには治療薬以上に有効性と安全性が高いことが要求され、何段階もの厳しい検査と長期間に渡るチェックが不可欠である。製薬企業には「新薬の品質に関する書類や前臨床動物試験に加え、ヒトでの第1~2相試験や有効性と安全性を証明する12ケ月の第3相試験の結果」を提出する義務がある。今回はパンデミックの恐怖感に煽られてこの大原則が無視され、2ケ月に短縮された第3相試験でも有効性や重症予防効果が検証されずに緊急承認された。この様に異常な背景のワクチンに関して接種推進派と反対派が激しい情報戦争を繰り広げている。ワクチン接種開始から2年が経過し、その短期効果を客観的に評価できるデーターが集積されてきた。医学誌ランセットに掲載された「新型コロナの遺伝子ワクチンは1,400 万人の死亡を防いだか?」と題する論文はその一例である(THE LANCET Infectious Diseases, 2022)。本論文には「ファイザー社のmRNAワクチンは未だに臨床試験で有効性が実証されず、重要文書が不備で第3相試験結果も捏造されている。ワクチンに期待された効果は無く、逆に接種数と死亡者数が正の相関を示している。全ての国々でワクチンを接種しなかった場合よりも多くの感染者と死者が発生している事が判明した」と記載されている。145ヵ国のワクチン導入国で、最悪の事態が生じたのは2020年にコロナ死者が少なかった国々であり、接種率が低いアフリカ諸国では死者数は逆に低かった。2022年8月の時点で世界で約640万人の新型コロナ関連死が報告されているが、2020年後半~2021年初頭のワクチン接種によりコロナの死亡率が低下した事実は無く、逆に死亡率が増加して高レベルで推移している。世界に先駆けてワクチンを接種したイスラエルでは、2022年の第1四半期に「コロナ危機が始まって以来最高の超過死亡数」を経験した。この期間中は新型武漢株やデルタ株より危険性が1/10以下のオミクロン株のみが流行していたが、ワクチン接種開始と共に超過死亡数が増加した。無症候性のオミクロン株が優勢な米国やオーストラリアでもワクチン接種により全死亡率が増加し、特に2022年7月までに2回目の追加接種を行った後に死者数がピークに達した。ワクチン接種無しの場合と比較解析した結果、「新型コロナは危険ではなく、医療システムにも脅威ではない事実」が判明した。パンデミックの初期で欧米での感染の全致死率は0.15%、70歳未満で0.05%未満、子供は0.00%であり、オミクロン株のリスクは更に低い。「世界中で何百万人も新型コロナで死亡した」との報道はメディアの誤情報であり、コロナ死が大幅に過大評価されていた。Corman-Drostenの論文(Narure, 2020)では、PCR検査に関して検証も標準化もされておらず、科学的に不備で偽陽性率が極めて高い。米国での新型コロナの死亡診断書では、コロナが唯一の死因だった例は僅か5%であったが、全例がコロナ死とされていた。イタリアでもコロナ死者の99.2%に併発疾患があり、死者数の大幅な下方修正が必要である。これは「死因に関係なくPCR陽性者を全てコロナ死と報告する義務のある日本」でも同様である。2020年冬のパンデミック宣言前後で超過死亡率は世界的に大きな変化は無かった。「致命的ウイルスの拡散を国境封鎖で止められない事」は過去の経験からも明白である。新型コロナが真に致命的であればEUやNYでの死者の波があの様に短期間で収まる事はない。「ワクチン接種が成功した」との主張は接種率が非常に低い国々での観察に基づき、非接種の場合の数値が誤用されて異常に高い死亡率を算出していた。正確に算出し直した結果、『ワクチンが1,400万人の死亡を抑制して被害を大幅に軽減した』との主張は明白な誤報であった。承認前臨床研究とその後の臨床研究でも安全性や有効性は証明されず、実際には「ワクチン接種が逆効果で、新型コロナの罹患率、死亡率、全死因死亡率を増加させていたこと」が判明した。『遺伝子ワクチンが有効』との誤報の背景には、メディアと巨大製薬企業の重大な利益相反があり、世界的な医学誌の信頼性も大きく損なわれた。同様の異常現象は日本でも日常化しており、『厚労省のワクチン接種効果の捏造』もその一例である。オミクロン株が主流になってワクチンの効果が世界的に低下したが、日本だけは『感染予防効果が著しく高い』とされて全国の自治体で接種が強く推奨されてきた。実は厚労省が接種日不明の接種者を未接種扱いにして予防効果を捏造しており、実際には接種者の方が感染しやすい事実が判明した。通常、この様に悪質な不正があれば厚労大臣の首は即座に飛んでしまうが、何故か与党も野党もこの問題をウヤムヤにしている。接種を煽ってきたNHKや大半のメディアも、未だにワクチン効果を期待させる大本営発表を垂れ流している。ドイツでも同様のデーター捏造が発覚し、『ワクチン強制接種法案』が否決された。一方、日本政府は2022年秋に武漢型とオミクロンBA.1株に対する2価ワクチンを購入し、高齢者のみならず12歳以上にも接種を拡大し、全国自治体に希望者への接種を加速する様に通達している。日本政府は米英の製薬企業から計8億8千万回分のワクチンを2兆4千億円で購入しており、配送料や接種費用などを加算すると莫大な税金の浪費になる。遺伝子ワクチンは『害あって益なしの医学的失敗作』であり、全て廃棄する事が次善の策である。「何度でも騙せるお人好しの日本人」に味を占めた米モデルナ社のバンセルCEOは「ワクチン製造販売のアジア拠点を日本に造る」と意欲を見せている。WHO日本支局に加え、CDC東京オフィスやワクチンのアジア製造販売拠点が出来れば、日本国民は最悪の修羅場を迎えるであろう。
転載:月刊東洋療法342号
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